弦代公園・パノラマ写真



 私の健康法

日本人の平均寿命は女性86.39歳で世界一、男性79.64歳で世界三位となった。(2010年)そして、50年後の日本の人口はおよそ4000万人減少し、8600万人余りになるという推計を国の研究所が最近まとめた。このうち、65歳以上の高齢者の割合はおよそ40%に上ると予測され、少子高齢化と人口減少の傾向は変わらないとしている。

TV・新聞・雑誌は毎日のように健康に関する情報を流している。アンチエイジングとか、健康長寿とかがもてはやされ、人は死ぬことを忘れ、健康でなければいけないような気分にさせられている。あたかも「健康」という病に冒されたごとく。

老兵は早く消え去り、若者にバトンタッチしなければならないところ。だが、「悲しきは人間の性」もしくは「自然の摂理」なのか、少しでも長生きをしようと徒労を重ねている。

さて、愚輩の健康管理は、平凡だがバランスの摂れた食事、適度な運動、そして早寝早起きを実践している。

食事については、@「少肉多菜」肉はほどほど野菜たっぷり。A「少塩多酢」塩分摂りすぎは高血圧の元、酢は健康の素。B「少糖多果」甘いものは果物から、砂糖は肥満への直行切符。C「少食多噛」腹7分目で良く噛むことを心掛けている。

運動はもっぱらウオーキングである。以前にはテニス、ゴルフ、山登りを楽しんだが心臓疾患が見つかってからは、軽度の運動として「歩くこと」に興味をもった。歩くといっても、散歩ではなく、筋肉強化を意識しての歩行である。

家の前の公園に周囲1200mの散歩道がある。ここを毎朝5周する。合計6キロの道のりを早足で歩く。このとき心臓に過度の負担がかからないように、運動心拍数が110回/分を越えないようにコントロールしている。心拍数の計測は、胸にセンサーの付いた胸帯(チェストストラップ)を装着した、スポーツ用の心拍計使用している。

気が向くと少し離れたスポーツ公園で「後ろ歩き」をする。凹凸のある道路は危険だから、芝生の広場でのびのびと「後ろ歩き」する。後ろ向き歩きは、猫背気味の姿勢が改善され、背骨を支えている脊柱起立筋が鍛えられ、腰に過度の負担がかからないのが利点とされている。前向きになって歩く筋肉とは別な背筋、太腿の前面や脛の筋肉が鍛えられるのは、水中の中と変わらない』そうだ。(ネット引用)

早寝早起きの愚輩は普通、午後9時ごろ就寝し、午前3時30分ごろには目を覚ます。夏場は空が白んだころウオーキングを開始する。だが、既に先客がお出ましである。暗いうちから行動を開始しているのだろう。負けずに頑張ろうとするが「暗いうちから、うろうろしていると俳諧老人に間違えられますよ」と愚妻がたしなめる。

厳冬期は野外のウオーキングは中止し、家の中でエアロバイク(自転車こぎ)のペダル漕ぎなどの運動器具でカロリーを消費している。

家前の散歩道は、最近の健康志向やランニングブームで人出が多くなってきた。平日は老人中心となっているが、休日には若い子が格好のよいスポーツウェアを身にまとい颯爽と走っている。そんな中、平日の昼に、しばしばトレーニングに勤しんでいるランナーを見かけた。礼儀正しい好青年であったが、昼間から練習している姿にどんな職業の人かと思っていた。

彼こそ、東京マラソン2011で日本男子トップとしてゴールした、川内優輝君であった。埼玉県の定時制高校の職員として配属されているので昼間を、トレーニングの時間としていたのであった。今では、ロンドンオリンピック男子マラソン有力候補となっている。川内君にはオリンピックで活躍されることを切望している。

話は変わるが、昨年暮れも押し詰まった12月25日、わが家の近くのテニスコートで、友人Tさんがプレー中に倒れた。愚輩は現場にいなかったが、Tさんは意識がなくなり心肺停止状態となっていたそうだ。すぐ仲間が消防署に救急要請した。救急隊がくるまでの間、心臓マッサージの経験のあるMさんが、救急隊の遠隔指示にしたがって応急処置を続けた。

救急隊は5分ぐらいで到着した。TさんはAEDや人工呼吸を受けながら、市内の総合病院に搬送された。集中治療室に入ったTさんは3日間意識が戻らず、家族は死を覚悟して葬式の準備まで始めたそうだ。ところが奇跡的にも2週間の療養で回復して、今では家庭菜園を楽しむほど元気になっている。(因みに愚輩は5年前、このコートで脳梗塞を発症し倒れた。)

一般的には心肺停止後、3分を境に急激に蘇生率が落ち、10分経過するとほぼ確実に死亡するといわれている。まさに分単位の戦いである。

愚輩は昔、スキューバーダイビングのインストラクターのライセンスを取得するために、心肺蘇生術を反復して習ったことがある。
心臓マッサージは、不適切な施術で肋骨を折り、骨が心臓に刺さり出血によって死亡させてしまうこともある。そんなリスクを抱えながらMさんのように、うろたえずに対処できたかどうか愚輩には自信がない。Mさんの臨機で冷静な対応と救急隊との連携は見事であった。また、日進月歩の医療技術も素晴らしい。

ところで近年、数多くのいわゆる健康本が出版されているが、著者によって最良な健康法も、別の著者は効果がないと主張する。いずれも著名な権威者であれば、どちらを信じてよいか迷ってしまうことが多い。人の身体はまさに百人百様。 誰一人としてまったく同じということはありえないはずだ。巷に氾濫する健康情報に惑わされることなく、自分の信ずる方法を工夫する必要があろう。

しかし、いくら健康法に留意して長生きを貪ろうとしても、人は「天寿」には逆らえない。「天寿」というのは、天から与えられた寿命のことだ。

生産年齢人口の65歳を過ぎてからは『おまけ』の人生と心得、さらなる寿命の延長に汲々とするよりは、良寛和尚のように「死ぬときは死ぬがよく候」と達観して気楽に生きるように努力せねばなるまい。健康至上主義はストレスの基。かえって身体に良くないことだ。

ともかく年寄りは、いま、目の前にある一日一日を大事にし、謙虚に遠慮がちに生きるがよく候。

今日の一言 運 命

<お礼>

あまり役立ちそうもない駄文に、お付き合いいただきありがとうございました。

 2012年2月10日
 篠崎 春彦