作品名:デンドロビューム グロメラタム ‘ロング ウェル’ 
作者:永井 清氏 (神奈川)  

世界最大級のランの祭典「世界らん展日本大賞2017」が2月中旬、東京ドームで開催された。

午前9時半、開演にあわせて会場に到着。すでに先客多数。中に入ると、蘭のいい香りとともに、会場は凄まじい熱気。蘭好き達のほとばしるエネルギー、その熱量は強烈なものであった。

展示は洋蘭、東洋蘭(シュンラン、カンラン等)、日本の蘭(エビネ、セッコク等)など、様々なラン科植物が世界2025ヶ国から約300010万株集まっている。

今年のテーマは「蘭に、ときめく。」とある。歳をとると心躍るようなワクワク、ドキドキする気持ちが少なくなってくる。よく言えば物事に動じない「悟り」「達観」の心境になったとも言えなくもないが、要するに感性が鈍くなってきたと言うことである。そこで「オッ!」と心ときめく感性を呼び起こす体験を探し求めて会場に入った。

僕の好みは東洋ラン(春蘭、カンラン、エビネ、セッコクなど)などの日本の山野に地生している野生蘭である。、とりわけ杉林にひっそりと咲く、楚々として華奢な立ち姿、その凛として気高い美しいエビネ蘭に心をひかれた。今回は趣向をかえ、洋蘭のパフィオペディルム(通称:パフィオ)の魅力を探ってみた。

パフィオは典型的なランの形をしているが、その中でも特徴的なのはリップと呼ばれる袋状の花弁。中心の花弁の一つが袋状になっている。ディース・スリッパ(淑女のスリッパ)というユニークな呼び名がつけられている。

パフィオはカトレア、デンドロビウム、胡蝶蘭、シンビジュウムなどの洋蘭にくらべると、全体的に地味で、渋い雰囲気で、爬虫類っぽくて、グロテスクな形態のためか、一般受けしない花である。

それでもよくみると、他のランにはないオンリーワン的な魅力があり、このフォルム、このライン、この色と模様に独特の特徴がある。びっくりする模様もあり、みんな個性的で素晴らしい花ばかりであった。僕は悪魔の魅力に憑りつかれたように魅入ってしまった。

最初からパフィオ好きな人は少ないようだが、
見るうちにパフィオにハマり、少しずつ虜になる人が多いそうである。カトレアなどの華麗な蘭の花に魅せられて、この世界に入った蘭マニアが行き着くところは、パフィオだともいわれている。

蘭の魅力を語れるほどの知識、経験の乏しい僕が、突然、パフィオに何故引かれたのか?と聞かれてもなんと表現して良いのかわからない。全体から創造するイメージとはまったく異なる花が咲いている意外性であろうか。または、個性的なその姿が想像力をかき立てるのか・・・不思議な花である。

 パフィオの未知なる魅力を発見し、蘭の世界が実に奥深ものであることを感じさせ、「蘭に、ときめいた」一日であった。

ドームを美しく、麗しく飾った蘭は、多くの人たちに感動をあたえ、2017年大会は幕を下ろした。パフィオのさらなる魅力を求めて、来年も達者でいることを願ってやまない。

<雑 談>

アクション女優の草分け的存在で、映画やTVで活躍していた志穂美悦子さん(長渕悦子)を久々ぶりに見た。結婚後、花の世界に魅せられて、花活動家/フラワーアーティストとして活躍している。会場の一角で着物による花活けパフォーマンスを披露。当時を思い起こさせる力強いパフォーマンスで来場者を魅了していた。もっとも生・吉永小百合さんでも登場したら、大いに「ときめいた」であろうに。

                                            2017-02-27 Web編集:独法師


2017 FLASH画像


2014 世界らん展